公益社団法人 日本表面科学会

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会長からのご挨拶

会長 荻野俊郎

「踏み出す」

 2015年5月23日の総会において公益社団法人日本表面科学会の会長に就任しました。就任に当たってこれからの2年間の目標を具体的に述べたいと思います。
 本会は公益社団法人であり、本会で行っている活動はすべて公益事業として位置づけられています。その目的は、表面科学の進歩とその成果の社会への還元により、我が国の学術と社会の発展という公益の増進に貢献することです。この目的を達成するためには学会の基盤強化は必須であり、その基本は会員数が確保され、その会員が本会の活動によって十分な満足感が得られることです。しかし、本会の会員数はこのところ頭打ちから減少傾向に向かいつつあります。現在の枠組みで会員増と活動の活性化を行うのは当然としても、少子化の現状を考えるともっと抜本的な強化策も必要な時期に差しかかっています。本会はこれまで、会員の活発な活動に支えられて広範囲な事業を単独で実施してきました。学術講演会を関連学会と共催するなど部分的な連携はありますが、基本的には独立性の強い学会であったと言えます。しかし、本会だけでなく多くの学会で会員が減少に向かっており、それぞれが独立に同種の事業を展開するのは会員利益と公益性の確保が困難になりつつあります。公益性と会員の利益を両立させるためには抜本的な改革が必要です。これからの2年間、本会と共通の研究領域をもつ関連学会との連携を強化し、表面科学の分野に関わる研究者、学生、産業界の会員がより少ない負担でより大きな利益が得られるように、大きく踏み出した変革を進めたいと考えます。
 昨年度、関東支部が新たに発足しました。これは、より地域に密着した活動を取り入れることにより、本会の活動に新しい会員の参加を促すこと、産業界との連携を強化することなどを目的としました。支部の活動は会員が本会を身近に感じられる場であり、さらに拡大したいと考えます。地方ごとの活動であれば負担も軽減され学生などの若手も参加しやすくなると思います。九州支部の設立は具体的に始めています。北海道についても踏み出したいと考えます。
 本会はどちらかと言えば学術性を全面に出しており、産業界とのつながりは他の同種の学会と比べて緩やかであったと思います。しかし、学生会員として学術講演会に参加した学生の多くは会社に就職し、そこで研究開発に携わります。産業界と本会の連携は、従来も強化を図ってきたところですが、学術的な企画に企業も参加してだたくという形態が中心でした。これからは、産業界主導の企画に踏み出し、産業応用部会の設立と学術講演会での独自シンポジウム企画などを始めたいと考えます。
 国際事業は若手研究者にとって最も魅力ある活動ではないでしょうか。過去2年間、尾嶋正治前会長の時代に国際事業を強化し、国際的な表彰やフェロー制度の創設とアジア・環太平洋との連携強化を行いました。現在日本真空学会と対等な立場でアジア・環太平洋での国際会議に参加する機会が増えています。日本真空学会と歩調を合わせ、国際的な学会ネットワークへの参画に踏み出す予定です。
 日本表面科学会の進む方向について、大きく踏み出そうとしている項目のみ取り挙げましたが、会誌、英文論文誌、出版、各種の基礎講座や研究会、市民講座、資格認証など、いずれも本会の要となる事業です。会員の皆様のより一層のご参加とご協力を頂けれは幸いです。

平成27年5月23日
横浜国立大学・教授
荻野 俊郎

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